1. 用語
  2. 日本史 -す-
  3. 受領(ずりょう)

受領(ずりょう)

国司制度のうえで,前任者から任国の施設・財産などの管理責任をうけついだ国司官人。職務の引継ぎ手続きで前任者から新任者へ渡すことを分付(ぶんぷ)といい,新任者が前任者からうけることを受領ということから派生した名称。赴任した国司四等官の最高者がなり,通常は守(かみ)あるいは介(すけ)をさす。平安前期から受領の権限が拡大されて受領以外の任用国司の地位が低下し,結果的に受領の責務の下で国衙(こくが)機構によって地方行政が運営されていく体制が確立した。任国内の支配は受領に大きくゆだねられ,郎党(ろうとう)を動員するなどして徴税を強化し,摂関期には受領の中央政府に納入する税物が国家財政に重要な位置を占めた。また任期中に富の蓄積を行う者も多くなり,その財力が内廷や貴族の家政の運営にも利用された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう