数寄屋(すきや)
(1)茶室。主屋とは別棟の茶席・勝手・水屋を備えた建物。(2)数寄屋造・数寄屋風書院造とも。近世住宅で茶室建築の意匠をとりいれた建物。平面などは基本的に書院造と同じだが,丸太や面皮(めんかわ)材を柱や長押(なげし)など,外からみえる部分にも用いる点,意匠性の高い棚や欄間を設ける点などが特色。ただし棚や欄間の意匠については,茶室建築からの影響だけでは説明できないので,武家の文化に対抗する近世公家文化の美意識が反映されていると考えられている。桂離宮をはじめとする別荘建築や料理茶屋などに用いられた形式。(3)障子に張る美濃紙。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう