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周防国(すおうのくに)

山陽道の国。現在の山口県南東部。「延喜式」の等級は上国。「和名抄」では大島・玖珂(くが)・熊毛(くまげ)・都濃(つの)・佐波(さば)・吉敷(よしき)の6郡からなる。国府・国分寺は佐波郡(現,防府市)におかれた。一宮は玉祖(たまのおや)神社(現,防府市)。「和名抄」(名古屋市博本)所載田数は7654町余。「延喜式」には調として短席(むしろ)・綿・塩,庸として綿・米など。大宝令制前に周芳総領が設置されるなど,古くから瀬戸内海沿岸の要地で,825年(天長2)長門国から鋳銭司(じゅせんし)が吉敷郡(現,山口市)に移された。源平争乱後の東大寺復興に際して,造営料として多くの用材を供出。平安時代の在庁官人多々良氏から出た大内氏が南北朝期に守護となり,山口に守護所をおいた。大内氏は貿易による経済力を背景に栄華を誇ったが,1551年(天文20)陶晴賢(すえはるかた)の謀反により滅亡し,安芸国の毛利元就(もとなり)が周防に進出した。近世は毛利氏の萩藩領,のち支藩の岩国藩・徳山藩も成立。1871年(明治4)の廃藩置県の後,山口県となる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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