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慶滋保胤(よししげのやすたね)

生没 ?~1002.10.21 平安中期の文人・儒者。字は茂能。唐名は定潭。賀茂忠行の子であるが,陰陽(おんみょう)道の家学を捨て紀伝道を志し,本姓も読みかえた。文章(もんじょう)博士菅原文時に師事して文章生から従五位下大内記に至り,永観改元の詔などを草した。その間,念仏結社である勧学会の設立に尽力し,986年(寛和2)出家。法名ははじめ心覚,のち寂心。世に内記入道と称し,諸国遍歴後,洛東の如意輪寺に没した。「本朝文粋(もんずい)」に収められた「池亭記」では,当時の社会批評と文人貴族の風流を展開し,また浄土信仰に傾倒して「日本往生極楽記」を著した。弟子に寂照(じゃくしょう)(大江定基)がおり,藤原道長もみずから白衣弟子と称した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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