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陽明学(ようめいがく)

中国の明代中期の思想家王陽明が提唱した儒学理論。元・明代に国家公認の経書の解釈学となり形骸化した朱子学に対し,王陽明は朱子学の内側からの思想的革新を企て,朱子学の性即理に対し,心即理・知行合一・致良知の説を主張した。つまり朱子学が実際には天下の事々物々の理を客観的にきわめることを重視したのに対し,陽明学は宇宙の理法や人間の倫理はうまれながらに人の心に備わっているとし,心で獲得された理の日常行動での具体的発現を重視した。朱子学の理論体系を前提に,外在的な規範よりも自己の内面的な判断力とその実行を重視したため,社会変革の推進者に受容され,またその機能をはたすことが少なくなかった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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