株(かぶ)
おもに近世の社会集団内に占める成員の地位や資格の呼称。これが固定的・世襲的な権益として物権化し,相続や売買,譲渡の対象となった。御家人株や名主株のように,本来は世襲的な身分や業務が,人格から分離してある種の権益となり,売買の対象となった場合や,百姓株のように村落共同体の維持を目的に成立した場合もあったが,一般的には都市の諸商人・諸職人の株仲間のように,仲間規制や領主の政策によって固定化・独占化された営業権が株となる場合が多い。近代になって株式会社の制度が導入されると,企業の出資形態として用いられるようになった。現代の日本相撲協会の年寄株などに前近代の名残をみることができる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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